Message

高校生へのメッセージ

情報・エレクトロニクス学科電気・電子通信コースを目指す高校生へ

「電気抵抗0」が広げる未来の技術超伝導エレクトロニクスの研究

Superconductor for future world

自然科学の基礎から、電子回路、情報通信などの応用技術まで、少人数のクラスで学ぶことができるのが電気・電子通信コースの特徴です。エレクトロニクス産業は、電気電子工学の基になりたっています。このコースの卒業生は、数多くの企業から強く求められる人材となって大学を巣立ち、社会に出て活躍しています。私の研究は主に「超伝導エレクトロニクス」に関連する内容です。超伝導とは電気抵抗を0にする技術で、電気の抵抗が0になると例えば発電所から電気を届けるまでのロスをなくすことができます。現状の銅線を使った送電の場合、電気は2分の1~3分の1が失われています。つまり送電に超伝導が使えれば、少ない発電量でも電気が行き渡るようになるのです。実用化のネックは、冷却コストが大きいことです。そこで私は大きな夢として、「常温超伝導の実現」を掲げています。

超伝導アンテナによる無線電力伝送の実用化を目指しています

Our Mission

超伝導は様々な高周波用デバイスとして応用できます。私が現在一番力を注いでいる研究は、走行中の電気自動車に充電可能な無線電力伝送システムの開発です。将来の自動車の多くは電気自動車になると考えられ、充電方法の効率化が求められます。本研究により従来の「給油」という概念が無くなり、充電を意識しない自動車が一般的になるでしょう。この他にも、テラヘルツ波発信・受信デバイスの開発、量子コンピュータ用SIS接合に関する研究、NMR用超伝導コイルの研究、常温常圧超伝導の研究を行っています。これら研究の根底にあるのは、「世の中に役立つものを作りたい」という思いです。私自身が興味のあるテーマをすべて学生と一緒に研究していますが、若い人たちの無垢な発想には驚かされます。高い能力をもつ世代が、これから先どんな技術を作っていくのか楽しみ。そのために私がもつ知識を役立ててほしいと思っています。